
『コーチング』について解説します
ルール(基準)が守られない時は、指導が必要になりますが、権力で従わせようとしてはいけません。ここでは有効な指導方法についてにご紹介します。
1.権力で従わせようとするときの弊害
厳しく指導することによりルール(基準)が守られるようになると考えている人がいるかもしれませんが、このサイトではお薦めしません。
人にはそれぞれの個性、プライドがあります。注意されたい人などいません。ましてや大人になってから注意されるわけですから、反発するケースも出てきます。
それを我慢して従っている人は「やらされた感」が強く、ルール(基準)を守っているように見せているだけに過ぎません。
この状態に陥ると、お互いの信頼関係が無い「仮面ルール(基準)」になっていますので真の改善に繋がることはありません。
それどころか、従業員の管理者に対する想いが無くなります。別の記事で組織の有効的な状態は「共通の目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」(組織の3要素)にあると記載しました。お互いの信頼関係が無くなると、全てが失われます。これにより、従業員は割り切って働くようになり、場合によっては事故や退職者が増えることもあります。
組織の3要素を維持しながらも、お互いが納得できる解決策に至る方法、つまり『ルール(基準)を守らない理由を聴き、相手の想いを受け止め、どうすればルール(基準)が守れるようになるか』を一緒に考える手法のひとつとしてコーチングについて解説します。
2.コーチングとは
コーチングは、相手が持っている能力を対話によって引き出し、相手が自発的に行動できるよう目標達成や自己実現に導くためのコミュニケーションツールになります。
コーチングでは「傾聴」「質問」「承認」を通じてクライアントの想いを受け止めます。そして、クライアントが話をする(聞いてもらう)ことで新たな価値に気付き自分自身で答えを導けるように手助けすることがコーチの役割になります。

(コーチング)
コーチングは下記5ステップで実施します。
1.信頼関係の構築
2.現状把握
3.ゴールの設定
4.計画(課題)の策定
5.フォローアップ
現状を把握し、ゴールを設定する。現状とゴールの間にあるギャップが問題・課題であり、その問題・課題を解決するための計画を策定する。そして実際に実施し、振り返りを行う・・・これらステップは、『A 問題解決』で説明してきたステップと同じであることにお気づきになりましたでしょうか?そこをご理解いただきますと、あとは「傾聴」「質問」「承認」というコミュニケーションツールを駆使して相手の想いを引き出し、頭のなかを整理してあげます。
3.コミュニケーション
コミュニケーションとは、双方向の情報共有、意思の疎通になります。そのために必要なものは「言語」「非言語」になります。言語に関しては伝える力と聴く力が、また非言語に関しては、伝える力と読み取る力が求められます。なお伝える力については、これまでお伝えしたロジカルシンキングのほか、顔の表情や声のトーン、身振り手振りまで含みます。

(有効なコミュニケーション①)
相手の想いを引き出すためには、話しやすい環境を提供する必要があります。基本的に、自分が話す量は少なくし、相手の話の聞き役に徹します。顔や体を相手に向け、質問を多くすることで相手も話しやすくなります。相手が答えているときは、会話は遮らず、肯定的なリアクション(相槌)を行うことで、自分を受け入れてもらえているのだと信頼関係が醸成できるようになります。

(有効なコミュニケーション②)
なお、コミュニケーションツールとしては、上記以外にも「相手をまねる(ページング)」「同じ言葉を使う(オウム返し)」など心理学に基づくテクニックがありますが、そこまでしなくともしっかり話を聴く姿勢が相手に伝われば、問題ないです。
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