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Bー8.固変分解


 

『固変分解』について解説します


固変分解とは費用を「固定費」と「変動費」に分解することです。費用には、売上高には関わらず発生する「固定費」と売上高に応じて増減する「変動費」があります。費用を固変分解することによって、どの程度の売上高があれば利益が出るのか?あるいは目標とする利益を達成するためにはどの程度の売上高が必要であるかがわかるようになります。

 


1.費用について                             


固定費

売上高に関わらず発生する費用。

勤務時間内の人件費(給与、手当、福利厚生費など)、減価償却費、賃借料、保険料、租税公課、修繕費、水道光熱費、通信費、消耗品費、広告宣伝費、交際費など


変動費

売上高に応じて増減する費用。

勤務時間外の人件費(残業代、手当など)、材料費、外注費、配送費、保管料、稼働時間延長に伴う水道光熱費など



何を変動費として考えるかは非常に悩ましいところです。一般的には損益計算書の勘定科目を基準に判断するケースもありますが、例えば人件費を固定費と考えたとしても、繁忙期においては基準時間を超えるケースも出てきます。つまり忙しくなり稼働時間が増えると、その稼働時間に応じて費用が増える結果になりますので一律で固定費・変動費とみなすことも正確ではありません。従って勘定科目のみで固定費と変動費を分けることは難しくなります。


一方で営業時間と各勘定科目における費用の相関をチェックし、相関が認められるものは変動費として判断する方法もありますが、例えば水道光熱費においては、営業時間よりも季節変動の影響を受けやすいこともありますので一律で固定費・変動費とみなすことも正確ではありません。


そうすると「固定費」と「変動費」を正確に分けることはできないという結論になり、この先の話が進まなくなりますので、ここでは勘定科目を基準に固変分解しますが、これはあくまでも一例であることを事前にご承知おきください。なお勘定科目については、中小企業庁の勘定科目に従って分類します。



2.固変分解について                           


(企業の場合)

例えば自社がカフェを経営している場合、損益計算書は下記の通りでした。「変動費」は売上原価の項目が、また「固定費」は販売費および一般管理費が該当することになります。

(企業の費用 固変分解)


(家庭の場合)

例えばA氏(妻、小学生2人の4人家族)の家計簿を損益計算書に置き換えると下記の通りになります。家庭に関しての費用には「固定費」「変動費」の分けはありませんが、これまでの解説のなかで食費を売上原価とみなしてきましたので、今回は食費のみ変動費として取り扱うこととします。

(家庭の費用 固変分解)



次回は、具体的な事例について解説します。
 
 


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