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Bー7.キャッシュフロー計算書(具体例)


 

『キャッシュフロー計算書』の具体例について解説します


経営者、学生、主婦の3ケースをつくってみました。ここではキャッシュフロー計算書のポイントについて確認していきます。

 


「生ハム」を加工販売している経営者A                   


貸借対照表

ある年の損益計算書、貸借対照表は以下の通りでした。


(損益計算書:今期、貸借対照表:前期、今期、前年差)


(ウォーターフォールチャート)


(キャッシュフロー計算書パターン)


現状評価(改善の方向性)

営業キャッシュフロー543万円、投資キャッシュフロー0万円、財務キャッシュフロー△126万円となり、キャッシュの増減額は417万円になります。経営者Aは個人事業主であるため、キャッシュの増減額417万円から生活費を377万円使っていますので、残りの40万円が事業として残る現金預金になります。実際に事業における現金預金の推移を確認すると、前期210万円が今期40万円の増加により今期末は250万円になっています。キャッシュフロー計算書パターンでは「営業キャッシュフロー:+、投資キャッシュフロー:-、財務キャッシュフロー:-」ということになりますので、同社はパターン4の一般的な堅実的企業であると言えます。キャッシュフロー上は良好です。


なお『Bー2損益計算書』『Bー4貸借対照表』『Bー6キャッシュフロー計算書』では法人を対象とした財務諸表について解説してきましたが、個人事業主では状況が若干異なります。法人と個人事業主の違いについては、別の記事にて解説します(ここでは全体像を確認していただくに留めます)。



「卒業後の進路」を考えている大学生B                   


貸借対照表

ある年の損益計算書、貸借対照表は以下の通りでした。


(損益計算書:今期、貸借対照表:前期、今期、前年差)


(ウォーターフォールチャート)



(キャッシュフロー計算書パターン)



現状評価(改善の方向性)

営業キャッシュフロー△7万円、投資キャッシュフロー△20万円、財務キャッシュフロー7万円となり、キャッシュの増減額は△20万円になります。キャッシュフロー計算書パターンでは「営業キャッシュフロー:-、投資キャッシュフロー:-、財務キャッシュフロー:+」ということになりますので、パターン7のかなり不安な状況と言えます。大学生Bにはいざとなれば支援してもらえる両親がいますので、金銭面での心配はありませんが、キャッシュフロー上は、身の丈にあっていない支出を続けている言えます。支出の見直しが必要になります。



「貯金」を考えている主婦C                        


貸借対照表

ある年の貸借対照表は以下の通りでした。


(損益計算書:今期、貸借対照表:前期、今期、前年差)


(ウォーターフォールチャート)


(キャッシュフロー計算書パターン)



現状評価(改善の方向性)

営業キャッシュフロー△2万円、投資キャッシュフロー△8万円、財務キャッシュフロー△4万円となり、キャッシュの増減額は△14万円になります。キャッシュフロー計算書パターンでは「営業キャッシュフロー:-、投資キャッシュフロー:-、財務キャッシュフロー:-」ということになりますので、パターン8の危機的状況と言えます。一見するとキャッシュフロー上は身の丈にあっていない支出をしているような印象を受けますが、貯金②までは黒字化できていることを勘案すると、そうでもなさそうです。恐らくは今期は生活に必要な比較的高価な家電家具を購入したために一時的にバランスが崩れてしまったと考えられます。




キャッシュフロー計算書の解説は以上です。またネタが思いついたら追記します。
 
 


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