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Aー27.クロスSWOT分析


 

『クロスSWOT』について解説します


SWOT分析で抽出した内部環境を縦軸、外部環境を横軸の2軸で戦略を検討します。これにより自社(自分)の強みを外部環境の機会にぶつけやすくなり、成功の確率を高めることができます。ここではその方法について解説します。

 
(問題解決のフロー図)


1.クロスSWOT分析                          


戦略の方向性を示すために内部環境を縦軸、外部環境を横軸に2✕2マトリクスに整理した表になります。2つのテーマの組み合わせにより全4つの戦略の方向性が示されます。

積極的戦略展開
自社(自分)の強みを外部の機会にぶつけることです。チャンスはあっても実力が無ければ意味がありません。これまで行ってきた環境分析をもとに実力が発揮できる領域へ積極的に攻めていくことで成功の確率を高めます。

差別化戦略展開
自社(自分)の強みで外部の脅威に耐えることです。新技術や流行の変化によって人気が下火になったとしても需要が100%無くなることはありません。そのような状況下においてはニッチトップを目指すことで脅威による影響を最小限に食い止めます。

段階的戦略展開
外部の機会にマッチするよう自社(自分)の弱みを克服していくことです。チャンスが到来していても弱みがネックになって攻められないのであれば、その弱みを克服することでチャンスを掴むことがでてきます。現実的には弱みを克服するより、強みを伸ばす方が理想的にはなりますが、チャンスは何度も訪れるものではありませんので、場合によっては弱みを克服することも戦略上は必要になります。

撤退・縮小
外部の脅威に自社(自分)の弱みがネックとなり太刀打ちできないことです。損失を最小限に留める努力は必要になりますが、資源に余裕が無い場合は早々に撤退や縮小を考える必要があります。

(クロスSWOTのイメージ)


2.進め方                                


まずは内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威から、どのような戦略が立案できるか考えます。

別の記事で記載した『カフェ』の内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威は下記の通りでした。
(1)外部環境の機会
(2)外部環境の脅威
(3)内部環境の強み
(4)内部環境の弱み
これらを縦軸と横軸に整理し、さらに考えられる戦略を記載したものが下記になります。

(『カフェ』のクロスSWOT分析)

今回は9つの戦略を考えてみました。

積極的戦略

新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする

差別化戦略

大正ロマンが感じられる空間の強化・PRする
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする

段階的戦略

家族経営から脱却する
味以外の利便性に優位性がある新商品を開発する
コーヒーに関する雑貨を販売する

撤退・縮小

現在の店舗への経営資源を集中投下する
コーヒー以外のメニューを充実させる


前回の記事で『アンゾフの成長マトリクス』について解説しました。上記9つの戦略をアンゾフの成長戦略に照合するとおおよそ下記になります。

市場拡大戦略
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする
大正ロマンが感じられる空間の強化・PRする
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする
家族経営から脱却する
現在の店舗への経営資源を集中投下する

新商品開発戦略
コーヒー以外のメニューを充実させる
味以外の利便性に優位性がある新商品を開発する

新市場開拓戦略
新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する

多角化戦略
コーヒーに関する雑貨を販売する


3.注意事項                               


上記はわかりやすく解説するためにクロスSWOT分析から導かれる戦略を立案しました。クロスSWOT分析においては4つの戦略が考えられますが別の記事で「自社(自分)の強みを外部環境の機会にぶつける」ことが成功の確率を高めると記載しました。ゆえにここでは積極的戦略をとることを考えます。積極的戦略は「新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する」「有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする」でした。

さて課題のロジカルツリーでは新商品開発の上位課題が「コーヒーに興味を持ってもらうこと」としましたが、優先課題は「コーヒーをよく知ってもらうこと」でした。ここでロジックが崩れることになりますので、改めて課題を整理し直し「コーヒーを知り興味を持ってもらうこと」に修正させてもらいます。

以上をまとめると下記になります。

優先的に取り組む課題
コーヒーを知り興味を持ってもらう

課題解決の戦略
新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする
 
 


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