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強みと自信



自社(自分)の強みに気が付いていないケースが多々あります。理由は周囲が強みと思っていることを自社(自分)としては「当たり前」と思い込んでいるからです。この強みに気づくことがまずは大切になります。

また強みに気づいていても自信がなければうまく機能しません。例えばマラソンを例に考えます。一般人のマラソン平均タイムは4.6時間であり、会社員Dは平均タイムより早い4時間で走っていました。会社員Dは平均タイムより早く走れる強みがあり、それに気づいていましたが、4時間で走る人は自分以外にも大勢いることから自慢できる話ではないとそのことを進んで社内に話しませんでした。ある日、大得意先の社長の息子がマラソンのタイムを上げたいとの悩みを抱えておりコーチになってくれる人を探しているとの話が社内ででました。そこへ同じく趣味でマラソンをしている別の社員Eがコーチになることが決まりました。社員Eはタイム4.7時間と一般人のマラソン平均タイムより遅かったのですが、マラソン大会に出場するたびごとに「またタイムが上がった」と何度も周囲に自慢のように話していました。そのために当社の社員は「彼はマラソンが早い」と認識していました。そもそも一般人のマラソン平均タイムは興味の無い人にはわかりませんし、社員Eはほとんど練習もしておらずマラソンを始めた頃は初心者にしては遅い5時間で走っていました。それを健康のためにとマラソンを始め、いつも無理のない程度に走り3年間でようやく一般的な平均タイムに近づきましたのでタイムを上げるコツは知りません。しかしながらコーチを探しているとの話を聞いた社員は誰もが「彼が適任。紹介しよう」と思ったのでしょう、社員Eを推薦する声が多かったことから彼が選ばれました。その後、社員Eは大得意先の社長の息子のコーチを務めました。社長の息子の記録は伸びませんでしたが、兄弟がいなかった社長の息子にとって社員Eはお兄さん的な存在で、家ではマラソンが楽しいとよく話していました。それを聞いた社長は社員Eを大いに気に入り、当社との取引量が増えていきました。結果として社員Eは出世しました・・・。

社員Eは息子の悩みであるマラソンのタイムでの結果は残していません。彼の性格が息子の心を掴んだことは社員Eの功績かもしれませんが、そうであればマラソンをしていない社員FやGでも良かったことになります。一方でタイムに自信があり普段から社内に話し、そのことが社員に知られていれば社員Dがコーチになっていたかもしれません。そのときは社長の息子の悩みであるタイムも伸ばすことができた上で出世できていると考えられますので、両者ともにWinーWinの関係が築けていたかもしれません。そのように考えると息子はタイムが上がるチャンスを逃し、社員Dは自信の無さから出世するチャンスを逃したと言えます。価値観は人によって異なりますので出世がすべてではありませんが、少なくとも自信がないことで「チャンス」を失ってしまいました。

このようなケースは日常でも頻繁に見受けられます。「チャンス」があっても「実力」がない。「実力」はあっても「チャンス」が無い。それを結びつける要素が「自信」であると思います。従って強みに気づいた後は、自信を持つことが必要になります。何でもよいです。絵が得意、話すことが得意など、強みに対し自信を持って人生を歩みましょう。

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