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Cー17.「経営」のリスク低減策(具体例)


 

『経営リスク低減策』について解説します


『Cー13.経営のリスク抽出・評価(具体提)』で抽出した経営に関するハザード/リスクに対しリスク低減の3対策に基づき対策を立案していきます。ここでは評価の結果、”リスク高”と判定したものについて解説します。

 

1.優先順位:”高”のリスク低減策                     


今回の評価では「情報技術の欠陥・欠如(情報漏えい)」「自然災害(火山、風水害)」「国際社会の圧力・外圧(原材料)」「パンデミック」の4つが優先順位:”高”となりました。これらリスクに対し、リスク低減の3対策に基づいて対策を立案すると下記になります。

(経営リスクに対するリスク低減策)



【 情報技術の欠陥・欠如(情報漏えい) 】

情報化社会において情報技術を活用しないことは顧客離れを引き起こす要因になりますので情報技術を使用しない訳にはいきません。


情報技術は日々進化する一方、技術の進化に順じリスクも増えています。イタチごっごが続きますが可能な対策としては常に「最新セキュリティーが装備されたシステムを導入すること」にあります。


情報管理は専門的な要素が強いため、素人ですべてを対応するには荷が重すぎます。従って「専門家にアウトソースする」ことを基本に、例えば「パソコンを最新状態に更新する」「情報セキュリティーを勉強する」「情報リテラシーを勉強する」など、自分たちでできることは自分たちで対応する姿勢で臨むことがリスクの低減には必要になります。



【 自然災害(火山、風水害) 】

自然災害は人間がコントロールできるものではありません。従って”発生すること”を前提に、発生した際の被害を最小限に留めるための対策を講じます。自然災害が発生した際のリスクは数多くありますが、ここでは”カフェの再開(インフラの復旧、原材料の確保など)”に向けての対策を検討することにします。


まずはインフラの復旧です。近年はオール電化の人気が高いのですが「電気とガスの両方が使えるようにしておく」と有事の際に復旧を早めることができます。またアウトドアで利用されるような「コンロ、ガスボンベをストックしておく」と簡易的な加工も可能になります。インフラが復旧してもカフェを再開するためには原材料を確保しておく必要があります。道路が遮断される、あるいは人員が確保できない等の理由により原材料が入荷できない問題も発生します。原材料の確保としては普段から原材料を「適正在庫より多めにストックしてくこと」「複数購買しておくこと」が求められます。そもそも建物が崩壊してしまっていては復旧にかなりの時間が必要になってきます。従って建物の復旧を早めるためには「耐震強度を高めておく」も必要になります。


なお耐震強度を高めるためには費用が掛かります。また原材料確保のために複数購買すれば、原材料の納品価格が上がる可能性もあり、過剰在庫もキャッシュフローの観点では悪になります。順番が前後しましたが「災害へのリスク管理をどこまで行っておくか?」まずはこれを決めておくことが必要になることを追記しておきます。


自然災害発生時はパニックで冷静な行動がとれなくなります。従ってヒトの対策も事前に準備しておく必要があります。まずは「有事の際、どのように行動するか」これを決めます。行動を決めても「実際にその内容が適切なのか」あるいは「きちんと決めた通りに行動できるのか」も検証しておかなければ画餅で終わってしまいますので、次に定期的な訓練を行います。これを何度も繰り返すことで精度が上がり、冷静な対応がとれるようになります。



【 国際社会の圧力・外圧(原材料) 】

近年の国際情勢を鑑みると、原材料のみならずエネルギーの確保も厳しい状況になりつつあります。従って「国産で必要なものが確保できる体制にする」「再生可能エネルギーを活用する」ことでリスクを無くすことができます。


とは言うものの、食料やエネルギーは大半を輸入に頼っている日本において、すべてを国産や自前で賄うことには限界があります。従って「国内にある原材料で代替できないか?」「ガスや電気を利用しなくても提供できる商品はないか?」など有事に備え代替品を検討しておくことも必要になります。



【 パンデミック 】

3年前に新型コロナウイルスが発生しました。ウイルスは容易に変異しますので、ワクチンが開発されても次から次へと変異株が出現し、ヒトの力ではウイルスを止めることができないことを経験しました。従って”発生すること”を前提に、発生した際の被害を最小限に留めるための対策を講じます。


コロナウイルス感染拡大時には緊急事態宣言が発令され、人々は不要不急の外出を控えました。店舗やカフェへの来客数や商談も激減し、来てもらうのではなく”リモート会議”や”宅配”という考え方にシフトしました。今後同様なパンデミックが発生した際も同じような傾向になると予想されますので「リモートワークできる体制にする」「宅配できる体制にする」ことでリスク低減が可能になります。


自社においては「ウイルス感染防止対策をしっかり行っていくこと」として、ハード面では空気清浄機や非接触ドア、アクリルのついたてなど、ソフト面では手洗い殺菌、マスク着用の推奨など今回の経験を活かした対策を行っていくほかありません。


リスク低減の3対策という括りからは、対策の焦点がズレてしまいましたが、今後、パンデミックが発生した際も新型コロナウイルス同様な動きになると考えられますので、改めて振り返ることで冷静な対応がとれるようになります。



 
 


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