top of page

Cー16.「労働安全」のリスク低減策(具体例)


 

『労働安全リスク低減策』について解説します


『Cー12.労働安全のリスク抽出・評価(具体提)』で抽出した労働安全に関するハザード/リスクに対しリスク低減の3対策に基づき対策を立案していきます。ここでは評価の結果、”リスク高”と判定したものについて解説します。

 

1.優先順位:”高”のリスク低減策                     


今回の評価では「転倒(通路、コード)」「はさまれ・巻き込まれ(製造機械)」「火災(コンセント)」の3つが優先順位:”高”となりました。これらリスクに対し、リスク低減の3対策に基づいて対策を立案すると下記になります。

(労働安全リスクに対するリスク低減策)



【 転倒(通路、コード) 】

”通路に置かれているモノにぶつかる””電気コードに足を引っかける”ことにより転倒事故が発生します。前者に関しては”通路のモノを撤去する”ことでリスクは無くなります。人間の心理として床面にラインが引いてあるとそのライン内を通ろうとします。区画管理としてラインを引き、最低でもそのライン内にはモノを置かないことでモノにぶつかることは無くなります。一方で電気機器のコードは充電あるいはワイヤレスタイプで無い限りはリスクをゼロにできません。


機械で制御/排除することも難しいため、ヒトで対策するほかないと考えます。”足を引っかける”ということはコードが床面を這っていることがそもそもの原因になりますので「コードをインシュロックで束ねて保管する」ことを習慣化させることが必要になります。また別の視点で考えると、仮にコードに足を引っかけても足腰が強ければ踏ん張りが効き転倒を防ぐこともできます。例えば普段から運動する、毎朝体操するなど「足腰を鍛える」ことで万が一の事故の被害を最小限に留めることも可能になります。



【 はさまれ・巻き込まれ(製造機械) 】

ベルトコンベヤや撹拌機などの回転体に手や服が引っかかって体が持っていかれる事故が多く発生しています。加工に使用される機械には回転するモノも多く存在しており、焙煎機においても、コーヒー生豆をムラ無く焙煎するためには攪拌が必要になります。従って回転体自体を無くすことはできません


製造メーカーによっては標準装備として「安全装置が設置」されたものもあります。安全装置が標準装備されていないタイプについては、まずは安全装置が設置できないか検討します。検討の結果、設置できないのであれば「回転体に触れられないよう保護カバーを設置する」「機械のカバーが開いた状態では作動しないようなセンサーを設置する」「回転軸付近に障害物が検知された際は緊急停止するようなセンサーを設置する」ことが対策になります。


ただし、安全装置や保護カバー、センサーの導入には費用が掛かります。機械によっては費用をかけても改良できないものもあるかもしれません。そのようなときには「機械を停止させてから生豆を投入する/焙煎後の豆を取り出す」「清掃や点検時は電源をオフにした状態で行う」など機械が稼働しているときは手を入れない習慣を身につけることがヒトによる対策になります。



【 火災(コンセント) 】

コンセントが原因で火災が発生するケースもあります。例えばコンロやアルコールランプなど、”火”を直接感じる作業を行っている時は火災予防への注意力は高まっていますので比較的安心できるのですが、日常生活においてコンセントに火災リスクを感じるケースは稀だと思いますので注意が必要になります。


コンセント火災は”たこ足配線”と”コンセントに溜まったホコリ”が原因で発生します。たこ足配線に対しては「コンセントを増設する」ことでリスクは無くなります。室内で作業する限りにおいて、ホコリを無くすことはできませんが「コンセントカバーを設置する」ことでホコリがコンセントに堆積することも無くなります。カバーは機械的な対策ではないかもしれませんが、ここでは機械的な対策とさせていただきます。


仮にそのような対策ができないのであれば「定期的にコンセントの状態をチェックし、必要に応じホコリを除去する(定期チェックと清掃)」というヒトによる監視を行うことが対策になります。



 
 




Comments


bottom of page