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Aー5.VRIO分析


 

『VRIO分析』について解説します


VRIO分析は自社(自分)を構成する内部環境を価値/希少性/模倣困難性/組織の4つの視点で調べ情報を整理するときに活用します。VRIO分析によって勝負できる「強み」が見つけられるようになります。ここではその方法について解説します。

 
(問題解決のフロー図)


1.集める情報                              


(1)自社(自分)の成り立ち
1)歴史
  企業)社史、創業、経験、受賞表彰、
     失敗例 など
  個人)自分史、年齢、学歴、職歴、経験、
     受賞表彰、失敗例 など

2)雰囲気
  企業)理念、社風、CI、事務所、工場 など
  個人)信念、性格、外見、ファッション など

3)資産(有形)
  企業)資本金、固定資産、備品、消耗品、
     借入金 など
  個人)預貯金、資産、借金 など

4)資産(無形) 
  企業)取引先、仕入先、社員、ノウハウ、
     特許、情報 など
  個人)知人、家族、スキル、資格、情報 など

5)その他    
  企業)弱点、苦手、不得意 など
  個人)弱点、苦手、不得意、趣味、癖 など


(2)価値
『(1)自社(自分)の成り立ち』で見つめ直した姿のなかから、PRできるものすべて

(3)希少性
『(2)価値』で抽出したなかから、特に自信があるもの


(4)模倣困難性
『(2)価値』と『(3)希少性』を掛け合わせた独自性

(5)組織
ここでは割愛


上記は目安になります。
分析を進めるなかで上記に記載していない情報が必要になるケースもでてきます。このサイトでは自社(自分)を見つめ直し、そこから価値は何か?希少性は何か?を抽出し、最終的に誰にも負けない絶対的な強みを導く流れにしています。従って一般的なVRIO分析とはニュアンスが異なるかもしれませんがそれで問題ありません。大切なことは正しいやり方ではなくその情報(絶対的な強み)がきちんと導き出せているという点にあります。そのためにこのような方法を採用しているのだと理解してください。


2.進め方                                


まずは『自社(自分)を見つめ直すこと』からスタートします。
この段階では失敗例や悪かったことなどを含む過去の歴史や経験のほか、自社(自分)の雰囲気や性格、所有財産や無形資産など今の自社(自分)を形成してきた思いつくものすべてを抽出します。

次に『自社(自分)を見つめ直すこと』で抽出したもののなかから自分の『価値』として考えられるものを抽出します。ここで言う『価値』は自社(自己)紹介する場があったときにPRできる内容と考えてください。

その後、『価値』で抽出した内容を最大3つに絞ったときにどのような内容が残るかを考えます。その内容をこのサイトでは『希少性』と定義します。

そして最後に『希少性』といずれかの『価値』を掛け合わせたものでPRできる内容を『模倣困難性』として分析を行います。

『価値』や『希少性』は自社(自分)の強みと言えます。しかしながら、それら強みは単独では他社(他人)も同じようにPRできる内容として考えているかもしれない「相対的な強み」と言い換えることができます。一方で『模倣困難性』は独自の『価値』と『希少性』を掛け合わせていますので複雑な何通りもの独自パターンの組み合わせが存在することになります。従って他社(他人)を超えたPRができる内容になり得る「絶対的な強み」と言い換えることができます。なお「絶対的な強み」という以上、他社(他人)を圧倒的に凌駕する強みが必要になりますが、誰もがそのような強みを持っているわけではありません。従ってこのサイトでは他社(他人)よりも自信がある内容であれば、それは「絶対的な強み」であるとみなし分析を続けていきます。


例えば、下記のような企業があったとします。
(1)自社の成り立ち


この会社の『価値』は下記のように考えられます(上記で線を引いた箇所)。
(2)価値


次にこのなかから『希少性』を抽出します。
例えば家族経営やテレビや雑誌に取り上げてもらうケースは世の中に多くあります。一方で創業100年やリピーターに有名な政治家や社長が多いというケースは滅多にあるものではありません。従って希少性は下記のように考えられます(上記で線を引いた箇所)。
(3)希少性


そして最後に『模倣困難性』について考えます。ここからは仮説的要素が強くなります。例えば家族経営で100年も創業が続けられる裏にはお客さんが口コミで評判を伝え、大人になっても通いたいと思える良さがあると推察できます。それはコーヒーのレシピ(味)かもしれませんし、辛いことがあったときに原点に戻ることができる安らぎの場所(空間)かもしれません。そのように推測すると模倣困難性は、下記のように考えられます。
(4)模倣困難性


『価値』や『希少性』は集めた情報から抽出することになります。従って抽出する内容が人によって変わってきます。できるだけ漏れや抜けが無いよう多くの意見を取り入れる方法として『MECE』や『ブレインストーミング(KJ法)』があります。それらを学び、訓練し、そして実践することでより確かな結論を導くことができるようになります。その内容については別の記事で改めて解説します。

『模倣困難性』は仮説要素がおおきなものになりますので、本来であれば仮説の裏付けをとることが必要になります。しかしながら一連の分析は最終的な目的である「問題解決」を導くために行っています。従って時間はかけず、必要に応じて裏付けをとることをおすすめします。


3.内部環境分析力を高める方法                      


自社(自分)のことはよくわかっているつもりでも、「第三者からどう見られているのか?」は実際のところわかり難いです。自社(自分)で当たり前と思っていることでも、実は価値があるということもよくあります。下記にVRIO分析に慣れるための方法を記載します。


これまでの歴史を振り返る                         


生誕から現在までを振り返ります。言い換えると社史(自分史)をつくるイメージです。写真や文書、そのときに愛用していたものがあれば、それらに触れながら当時を振り返ることでそのときの気持ちや出来事を鮮明に思い出すことができるようになります。そして過去を振り返り、できたことやそれによって手に入ったもの、またできなかったことやそのときの悔しい気持ちなどをを把握することによって、今の自社(自分)を知ることができるようになります。それが将来あるべき姿を描く際、おおいに役立つことになります。


なぜ自社(自分)を選んでくれているかを考える               


人との付き合いを振り返ります。「何となく」ということもあるかもしれませんが、人が離れないのであれば、人が離れない良さが自社(自分)にはあると考えます。また日常生活において他社(他人)の不満や悪口を耳にする機会があると思います。その不満を理解することで不満を言われない自社(自分)の良さがどこにあるか気づく機縁にもなります。なぜ自社(自分)を選んでくれているか、いまいちど考えてみることで自社(自分)の良さが見えてきます。


実際に聞いてみる                             


他社(他人)から見た自社(自分)の印象を実際に聞いてみます。企業であれば取引先や社員に、個人であれば知人や家族に聞いてみると自分では考えていなかった意外な答えが返ってくることもあります。実際にアンケートをとったり、インターネット上の口コミを集めることも自分を知る良いきっかけになります。


性格判断や四柱推命などを試す                       


誰しも姓名判断や四柱推命などで性格が当たっていると楽しんだ経験があると思います。非科学的と批判されるかもしれませんが、様々なサイトで同じように診断してみると共通する回答も多く、それらをパズルのように組み合わせると漠然とした自社(自分)が見えるようになります。



次回は、具体的な事例についてご紹介します。
 
 


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