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Aー7.SWOT分析


 

『SWOT分析』について解説します


PEST分析で導いた外部環境とVRIO分析で導いた内部環境を整理し、外部環境は機会/脅威、また内部環境は強み/弱みの視点から現状把握するときに活用します。現状分析のまとめ(完成形)であり、問題解決する際はSWOT分析から戦略・戦術を導きます。ここではその方法について解説します。

 
(問題解決のフロー図)


1.集める情報         


(1)外部環境の機会
PEST分析で設定した「テーマ」にとってチャンスに変えることができる事実
 企業)「飲料」  ⇨ 気温上昇
    「ロボット」⇨ 人手不足
 個人)「進路」  ⇨ 売り手市場
    「貯金」  ⇨ 金利上昇

(2)外部環境の脅威
PEST分析で設定した「テーマ」にとってチャンスを失うかもしれない事実
 企業)「パン」  ⇨ 気温上昇
    「飲食店」 ⇨ 人手不足
 個人)「進路」  ⇨ 不景気
    「貯金」  ⇨ 可処分所得の減少

(3)内部環境の強み
VRIO分析で抽出した「相対的強み(価値、希少性)」「絶対的強み(模倣困難性)」
 企業)「老舗」   ⇨ 歴史や信頼
    「有名ブランド店」⇨ ブランド力
 個人)「留学経験」   ⇨ 語学力
    「新しいもの好き」⇨ 行動力

(4)内部環境の弱み
VRIO分析で抽出した「自社(自分)の成り立ちの失敗例」「その他」
 企業)「老舗」   ⇨ 古い
    「有名ブランド店」⇨ 敷居が高い
 個人)「留学経験」   ⇨ 協調性が無い
    「新しいもの好き」⇨ 飽きやすい


外部環境分析において「気温上昇」という事実は飲料メーカーにとっては機会になりますが製パンメーカーにとっては脅威になります。また「人手不足」という事実はロボットメーカーにとっては機会になりますが飲食店にとっては脅威になります。つまり同じ事実であっても、それが「機会」になるのか、また「脅威」になるのかはケースによって異なります。

同様に内部環境分析においても「老舗」という価値は、歴史と信頼の裏付けになりますが別の見方をすると古いとも言い換えられます。「有名ブランド店」はブランド力は強いのですが一方でブランド力が強いゆえに敷居が高く敬遠される可能性も考えられます。つまり同じ事実であっても、それが「強み」になるか、また「弱み」になるかは考え方次第で異なります。

従ってSWOT分析を行う際は、どの立ち位置でどのように考えるかによって「機会」にも「脅威」にも、また「強み」にも「弱み」にもなるという点に注意が必要になります。

ちなみに正解はありません。別の記事でも記載しましたがSWOT分析は戦略・戦術を立案する際にも活用します。まずは仮置きし、戦略・戦術を立案する段階で改めて再仕分けすることをおすすめします。


2.進め方                                


まずは外部環境のPEST分析で設定した「テーマ」の事実から、ビジネスチャンスにつながる内容を機会、反対にビジネスチャンスを失う内容を脅威に分けて整理していきます。次に内部環境のVRIO分析で抽出した強み(相対的・絶対的)と弱みに分けて整理していきます。


別の記事で記載した『カフェ』についてSWOT分析します。
(1)外部環境の機会
(2)外部環境の脅威
(3)内部環境の強み
(4)内部環境の弱み

戦略・戦術を立案する段階で改めて解説しますが、このSWOT分析から、ビジネスチャンスは「自宅用の高級豆」にあり、そこに自社の強みである「100年受け継がれたコーヒーレシピ」を活用した新商品『大正ロマン珈琲』を自宅用コーヒー豆として販売することが戦略として考えられます。



次回は、具体的な事例についてご紹介します。
 
 


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