
『貢献意欲』について解説します
組織が成立するためには「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の三要素が不可欠であり、どれかひとつでも欠けている場合には不完全な組織として、組織が健全に機能しなくなります。ここでは貢献意欲についてご紹介します。
1.貢献意欲
人間の欲求は「生理的」「安全」「社会的」「承認」「自己実現」の5段階に分類されます(マズローの5段階欲求)。また5段階欲求は、おおきく「衛生要因」「動機付け要因」に分けることができ、両方が満たされることで貢献意欲(モチベーション)を高めることが可能になります(ハーズバーグの二要因理論)。
1.働きやすい職場環境を提供する
(生理的、安全=衛生要因)
個人のライフスタイルに適した柔軟な働き方が実現すると従業員の組織に対する信頼度・安定感が高まり、組織に対する貢献意欲を向上させる効果が期待できるようになります。
従業員が安心して働ける、働きたいと思える環境、例えば、給与、室温、騒音などの物理的な環境以外にも、育児休暇、時短、有給取得などワークライフバランスの取れた職場環境を会社が積極的に社員に提供することが必要になります。
【注意事項】
まずは、従業員アンケート、集団分析結果、意見箱の常設などにより従業員ニーズを把握します。
企業によっては様々な取り組みを上層部が決定するケースもあります。経営層ですので、大半が年齢の高い男性幹部ではないかと存じますが、会社で働く従業員は年齢が若い方、子育て世代の方もいますし、女性社員もいます。
上層部で決めた内容が従業員ニーズにマッチするとは限りません。従って、積極的に従業員の意見を聞くようにします。
2.人間関係を改善する
(社会的=衛生要因)
社会的要求は、何らかの社会集団に所属して安心感を得たいという欲求になります。
人間関係は従業員が組織の一員であることを再認識させたり、メンバーの悩みや仕事の問題点をお互いに共有し、支え合えていることを実感させることが必要になります。
【注意事項】
「コミュニケーションを良くすること」以外に、上層部が話しやすい雰囲気を出すことが必要です。
社長の鏡は部長、部長の鏡は課長というふうに社長の考え方や態度は人を通じて現場に伝えられていきます。従って、現場従業員が接する管理者の考えや態度は社長の考えや態度であると言えます。
当然ながら、管理者の考え方や態度が悪いと職場環境は悪くなります。必ずしもそうとは言い切れませんが、管理者は社長の考え方や態度をそのまま受け継いでいる可能性があります。従って、上長は部下の考え方や態度を見て、また悪い評判を聞いた際には、自分の考え方や態度を振り返ってみることが大切になります。
3.人事制度を改善させる
(承認欲求=動機付け要因)
自身の会社への貢献度が適正に評価されることは、仕事に対するモチベーションや組織に対する信頼感に大きく影響します。適正な人事評価を採用することによって不公平感をなくして社員の貢献度を正当に評価し、評価に応じた対価を得ることが必要になります。
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