
『理解と納得』について解説します
様々な意見はありますが、「理解=論理的・認知的なもの」「納得=感情的なもの」と定義したうえで、理解と納得を得るために必要なことは何か?ここではそのヒントについてご紹介します。
1.理解
1.相手に問いかける
まずは”聞き手”の表情を確認します。特に”聞き手”が”話し手”の方を見ていないときは聞いていない可能性もあるため「わかってる?大丈夫?」と実際に問いかけてみます。そうすることにより、他の参加者への牽制にもなり、話を聞こうとする姿勢も強くなります。
また話し手の方を見ていても理解していないケースが無いとも言い切れません。従って、話し終えたところで、必ず「わかった?大丈夫?」と問いかけることが大切になります。
【注意事項】
話の随所で理解状況を確認します。タイミングとしては話の途中と話の最後になります。話の途中では次の内容に進む前や明らかに聞いていないときは、その人を名指しで確認します。話の最後では、全体を見渡したうえで、最前列で目が合った人を名指しで確認するとよいです。
2.理解度をチェックする
話し終わった後、理解しているかどうか筆記で確認します(理解度チェックの実施)。
【注意事項】
理解度チェックは、アンケート形式とテスト形式の2パターンあります。
前者は、”理解できた/理解できなかった” ”ルールが守れる/守れない” など選択式の回答を用意し、そこに○を記入させることで宣言させます。またそれ以外に自由記入欄を設けます。そうすることによって、その場で手が挙げられなかった人の意見を吸い上げることができるようになります。
後者は、同じ問題にしながらも、回答様式を複数回答からの選択(やさしい問題)と穴埋め(難しい問題)の2パターンつくり、やさしい問題は一般社員向け、難しい問題は管理者向け と職制別で異なる問題を作成すると層別の意識づけを図ることができるようになります。
3.現場巡視する
頭で理解できても、身体が覚えていなければ習慣化できているとは言えません。管理者は伝えた内容が実践できているかどうか現場巡視時にチェックすることが必要になります。
【注意事項】
別の記事で”検証”について記載しました。”検証”は、”できていることを第三者が確認することで自作自演を防ぐ”という側面もあります。つまり、”できていること”が大前提になりますが、その”できている”状況をつくりあげるのは管理者の役割になります。現場巡視し”できていない”ことを”できている”状態にしていきましょう。
2.納得
1.相手の不満を解消する
「理解はできるが納得できない」。その裏には必ず理由があります。例えば、新たなルールが制定されることによって現場作業者の負担が増えることがネックになっているかもしれません。管理者は納得できない理由を聞き出し、その解消に努めることが必要になります。
【注意事項】
「納得できない理由は?」「不満に思うことは?」「どうすれば協力してもらえる?」などストレートに聞くと答える方も応えやすくなります。当然ながらすべての不満足を解消することはできません。それでも、すこしでも多く解消するように努めます。解消に時間がかかるときは進捗をきちんと報告します。いろいろと務めたけれども、解消できなかったとしても、その理由を誠意をもって報告します。
2.現場の信頼度が高い人を巻き込む
職制上は管理者の指示に従うべきですが、感情論的にそうはならないケースも多くあります。現場には必ず現場の信頼度が高い人(現場のキーマン)がいます。現場のキーマンは管理者以上の現場情報を持っており、また信頼もあるため、現場は管理者よりも現場キーマンの言うことを聞き入れることもあります。そのキーマンの協力を得ることが必要になります。
【注意事項】
現場キーマンの協力が無ければ達成できないことを切実に訴えます。頼られて悪い気がする人はいません。「現場が納得できない理由は?」「どうしたら現場が納得してくれると思うか?」など、相談を受ける立場の管理者が相談してもよいのではないでしょうか。
3.現場巡視する
頭では理解できても、身体が覚えていなければ習慣化できていると言えません。従って、管理者は伝えた内容が実践できているかどうかを現場巡視時にチェックすることが必要になります。積極的に声掛けし、相手の気持ちを慮ります。現場との接触機会を増やすことによって「この人のお願いなら聞いてあげよう」現場のそういった自主的な行動に繋がるよう努めます。
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