
『検証』について解説します
定めたルール(基準)は、きちんと守られているか否か、第三者がチェック(活動内容の検証)することが必要になります。ここではその検証方法についてにご紹介します。
1.検証の種類
ここで解説する検証は『会社が定めたルール(基準)が守られていることを、利害関係の無い第三者が確認する活動』と定義します。
各職場には複数人の仲間がいます。「普段から仲間同士でお互いにチェックし合っているので問題ない」と考えるかもしれません。確かにそのチェックも必要ですが、自分たちでチェックすることは自作自演と評されることもあります。従って、利害関係の無い第三者(別部門、別組織)がチェックすることでその信憑性が増します。
ルール(基準)はトラブルの発生を未然に防ぐために制定するものになりますので、守ることだけが重要ではありません。守れないルール(基準)を制定しているのであれば、それを修正することが必要になります。”できないこと”を”できている”ように振舞う行為が最も悪くなりますので、”できない”のであれば、できない理由を示し、ルール(基準)を変更する動きに入ります。
検証にはおおきく下記2種類のタイプがあります。
1.ルール(基準)が浸透するまでに行う検証
2.ルール(基準)が浸透した後に行う検証
各検証について、次の章で解説します。
2.ルール(基準)が浸透するまでに行う検証
「試行期間」に行う検証活動です。
新たなルール(基準)は、完全に実施できると判断した上で制定するものではありません。様々なケースを想定した蓋然性に基づき制定していますので、実際に実施してみると思いもよらない結果になることがあります。そもそも定めたルール(基準)に不備はないか?そのチェックを行います。
また新たなルール(基準)は、仮に周知しても習慣化には至っていませんので、忘れられることが多々あります。ルール(基準)が守られると言うことは、あくまでも習慣化して初めてスムーズに運用できるものになります。ルール(基準)を覚えているか?そのチェックも行います。
3.ルール(基準)が浸透した後に行う検証
「マンネリ期間」に行う検証活動です。
一般的に作業は『慣れた頃が一番危ない』と言われます。これは慣れによって緊張感が無くなり、注意力が散漫になることで事故やミスが起こりやすくなることを意味しています。
『7.ルール(基準)が守られない要因(具体例)』において、ルール(基準)が守られないケースとして、過失のほか”故意”により守らないケースがあると記載しました。ルールが浸透し気の緩みが起こりやすくなるこの時期に”故意”によりルールを守らないケースが発生しやすくなります。気の緩みはないか?そのチェックを行います。
この段階でルール(基準)を守らない人は、ルール(基準)を知っており、故意に守っていないことになりますので、言葉は悪いですが反抗的な人になります。ゆえに、この時期に実施する検証では、各職場と第三者が衝突しやすくなります。どちらが先に諦めるかという我慢比べに入りますので、検証する立場の第三者は各職場でルール(基準)が守られなくても諦めず指摘し続ける必要があります(諦めたらそこで終わりです)。
ただ、指摘し続けたところで改善されなければ意味はありません。どうすればルール(基準)を守ってもらえるようになるか?対策のひとつにコーチングがあります。次の記事ではその内容について解説します。
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