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Dー6.教育


 

『教育』について解説します


近年、情報技術の発達により、全国各地で開催される研修が自宅で受講できたり、様々な動画を無料視聴することで知識を蓄積できる機会が劇的に増えました。勉強したい人にとってはとても便利な時代になりました。しかしながらその一方で、せっかく勉強しやすい環境が整備されても勉強しようと思わない人もいます。ここでは勉強しようと思わない人を、どうやって教育していくかについて解説します。

 

1.教育の種類                              


教育には「OJT」「OFFJT」「自己啓発」の3種類があります。これらの違いは概ね下記の通りです。

(教育の種類)



各教育ともメリット、デメリットがあります。従って、必要に応じ各々の教育手段を複合的に実施していくことをお薦めします。



2.OJT                                


各職場では、上司や先輩が指導者として実務内容を教える「OJT」が頻繁に行われます。OJTの効果的な手法は、大日本帝国の連合艦隊長官 山本五十六元帥の格言に尽きます。


『やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ』


この一文にすべてが語られています。とても深い言葉です。



3.OFFJT                              


「OFFJT」は、高い費用を支払って各職場スタッフを外部研修に参加させることになりますので、受講者には高い意識を持ってもらいたいものですが、必要性を感じていないスタッフにとっては「やらされた感」が強く、必ずしも高い意識を持つとは限りません(研修に参加するよりも、むしろ職場で仕事していた方が楽しいと思っているかもしれません)。


では、高い意識を持ってもらうためにはどうすればよいのでしょうか?

下記にそのヒントを記載します。


1.興味を持ってもらう

2.お願いする

3.一緒に頑張る



1.興味を持ってもらう

研修に参加したくない人は、そもそも勉強嫌いの可能性が高いです。


例えば「面白くない」「わからない話を聞き続けることが苦痛」「何時間も席に座ってじっとしていられない」「発表させられるのが嫌だ」「眠たくなってくる」・・・など、学生時代に様々な理由で勉強が嫌いになり、その拒否反応が出ている可能性があります。


参加したくない受講者の拒否反応が完全に克服できる理想的なカリキュラムを受講者に提供することはできません。それでも受講者の拒否反応が少しでも低減できる方法で開催される研修タイプを選択するようにしてください。


その上で「なぜ研修に参加してもらいたいと思っているのか」その理由を受講者にしっかり伝えてください。よく耳にしますが「○○さんを参加させるように指示された」「○○さんが参加くれるとこちらが助かる」という理由は全くの論外です。


参加してもらいたいと思っている理由は相手のメリットになるから参加させることが大前提になります。「相手の将来を考えた上での想い」を伝えてください。


例えば、下記の通りです。


「○○さんは、□は誰にも負けないが△が弱点。それが克服できればさらに魅力が増すと思う。今回の研修に参加すれば△が克服できるようになる。それに転職しようと思ったときの武器にもなると思うよ」


「この研修は○○さんが尊敬している△△さんも過去に参加して、すごく勉強になったって言っていた。△△さんに近づくヒントになるかも。もしよかったら参加してみない?」



2.お願いする

相手のメリットを伝えても受講者に興味を持ってもらえないのであれば、次に「(興味を持たなくてもいいから)参加して学んだことを自分に教えてほしい」旨、伝えてください。


どのような研修であっても、”この研修を受講させよう!”と決めた理由と、その背景にある自分の興味が必ずあるはずです。その想いを伝えるだけで大丈夫です。


例えば、下記の通りです。


「ほんとうは自分も参加したいが、立場上、参加できない・・・なので信頼できる○○さんに参加してもらい、研修内容のこの部分をフィードバックしてもらいたいんだけど」


後日、上司を指導するのであれば、仮に”やらされた感”で参加していたとしても、上司に教えなければならないところだけはしっかり覚えて帰ってくることが期待できます。


また普段、職場で上司に教えられる立場であった人が、上司に教える立場になることでモチベーションも上がるようになります。



3.一緒に頑張る

研修への参加は、少なからず参加者にとって何らかの負担が生じます。それを日常業務を行えばよいだけの部外者が口先だけで”頑張れ”と言っても説得力はありません。従って、研修への参加を指示する以上、自分も何らかの負担を負うことを示してあげてください。


例えば、下記の通りです。


「○○さんが不在の間、自分が○○さんの実務もしておくから」あるいは「○○さんが頑張るなら、自分も苦手な△△の勉強しようかなぁ」


これにより「一緒に頑張っている」という一体感が生まれるようになります。


余談ですが、学生時代、時限的に結成された駅伝の強化選手に選ばれたことがあります。所属していた本来の部活動は駅伝大会前1か月間は休止し、駅伝練習に参加させられました。毎日3~5km走らされる放課後が苦痛でたまりませんでした。タイムトライアルはトラックで行いますので、ゴール地点で待ち構えてタイムを計る顧問からは「もっと飛ばせ!」「遅いぞ!」など周回ごとに激を飛ばされました。5kmマラソンコースを走る際も、自転車で後ろを追従されて激を飛ばされる・・・。その時に思ったことは「自分もやってみろよ」という愚痴だけでした。そんなある日、マラソンコースを顧問も一緒に走ることがありました。走り終わった後に顧問が疲れた表情で「いやー、しんどいなぁ」と言ってきた時、感情を共有化できたことの一体感を初めて感じました(・・・関係ない話ですが、ふと思い出しました・・・)。



4.自己啓発                               


自己啓発は、会社とは無関係に自主的に行われます。”自主的に行われる”と言う点がポイントになります。


例えば、たまたま配属された部署の業務が好きになり、生涯この業務を続けたいと思うようになった人は、その道のプロになろうと資格取得に励むようになるかもしれませんし、新たに部下を束ねる立場になったものの、うまくチーム運営できない人は、その種の勉強がしたいと思うようになるかもしれません。


いずれも指示されたからではなく、自らの資金で勉強を始めていますので、会社が提供する教育よりも熱心に勉強するようになります。


近年、日本企業は年功序列が崩壊し、求められる人材は「ゼネラリスト」から「スペシャリスト」に変化しつつあります。リスキリングも盛んに行われはじめました。このサイトも自ら学びたい人の一助になりたい、知ることの楽しみを覚えてもらいたい・・・そんな想いで執筆しています。ただ自分で見返しても「わかりにくいなぁ・・・」と感じますので、今後は動画やアニメーションで興味が深められないか?さらに勉強を続けていきます。



5.さいごに                               


ここに記載した内容は「勉強したくない子供のヤル気をだすためには?」と悩んでいる方の参考にもなります。ピンとこないと思いますので、さいごに簡単な事例を紹介します。



(ケース1)

Aさんは小学6年生の子供がいます。学校での人間関係に馴染めずで1か月前から不登校になりました。勉強したい気持ちはあるようですが、自分が教えられないため、どうすればよいか悩んでいます。


(解答案)

勉強したい気持ちがあるので「自己啓発」で勉強することが可能です。ただし、子供だけでは勉強の仕方がわからないと考えられますので、その手助けが必要になります。


学校や塾の先生は教育のプロなのでそのノウハウを持っています。しかしながら、人間関係で不登校になったのであれば、集団で行われる教育の場はお薦めできません。


個別指導の学習方法として「家庭教師」がありますが、塾よりコストが掛かります。人と接触しない学習方法として「教材」がありますが、あくまでも独学になりますので勉強の仕方がわからない子供にはハードルが高く、孤立を招く危険があります。


従って、文部科学省が公開している「学習指導要領」を親が勉強し、自らが教育のセミプロとして子供に教えてあげることをお薦めします。


指導要領は無料で配布されていますので、コストはかかりませんし、自分のために親が頑張っている姿を見せることができれば一体感も生まれます。子供も一人ぼっちにならないため、孤立を防ぐことも可能になります。



(ケース2)

Bさんは中学2年生の子供がいます。中学校に入り勉強が難しくなり、勉強が嫌いになりました。わからないところを今の時期に克服できれば、残りの学年で挽回できると考え、塾に行かせようとしていますが、本人にその気はありません。


(解答案)

勉強嫌いになった理由が明確ですので、その原因である「”わからない”を”わかる”に変えること」ができれば問題は解決します。


塾に通うことで問題解決できるのであれば良いですが、その確証がなければ、別の解決方法を考えた方が良さそうです。と言うのも、すでに勉強が嫌いという拒否反応がでていますので、塾=勉強と結びつく場所に行こうという気持ちは起こらないでしょうし、行っても授業内容は頭に残らないだろうと予想できます。


『学校は年間スケジュールに沿って授業が行われます。授業についていけない生徒のなかには「わからないけど、そのことを知られるのが恥ずかしい」「わからないけど、何がわからないかがわからない(質問の仕方自体がわからない)」など、ヤル気はあるのに消極的な性格で損をしている人もいます。教師は生徒からの質問がないから、全員が理解していると判断し、次の内容に進みます。授業がわからなかった生徒は「まあ、ここがわからなくても大丈夫か」と次の内容の勉強を始めますが、ここもわからない・・・一生懸命、授業についていこうと頑張りますが、どんどん置いていかれる・・・そして気が付くと一連の内容が全くわからなくなっていました。周りを見ると皆、普通に勉強している。すると「自分だけがわかっていない」という気持ちが生まれ、焦りや不安で苦しくなってきます。するとどこかのタイミングで緊張が切れ精神的な限界がきます。そこまで行くと、勉強という言葉は、自分にとって苦しい日々を思い出すキーワードなので、聞きたくないし、現実から目を背けるようになります。』


上記はあくまでも仮説になります。この仮説に基づく対策としては、まずは親が一緒になって勉強することをお薦めします。一緒に問題に向き合い「これ、難しいね。どうやって解くんだろう・・・教科書見せて」と伝え、教科書の内容を一緒に確認する。その後「そっか、こうじゃない?どう?」と同じ目線、スピードで一歩ずつ進めます


勉強がわかってくるようになると、これまでの勉強=苦痛という経験を次第に忘れるようになります。おそらく「なんで今までわからなかったんだろう?」と思うでしょう。徐々に自信を取り戻してきたところで「○○は理解力が高くてすごいね。年のせいか覚えが悪くて、これ以上教えられないよ。教材や塾に行ってみる?それで、こんどはこっちに教えてよ。○○に教えてもらうとわかる気がする!」と別の方法を提案することをお薦めします。



※フィクションです。


 
 




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