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Aー30.アクションプラン


 

『アクションプラン』について解説します


計画を策定する際はSMARTモデルに心掛け、目標や取り組み内容を明確にすることで実行に移しやすくなります。ここではその方法について解説します。

 
(問題解決のフロー図)


1.アクションプラン                           


行動計画を創ることです。誰が、何を、いつまでに、どのように、コストはいくらかけるか 3W2H(場合によっては5W2H)の視点で行動と目標を明確にします。

誰が
組織であれば部門だけではなく担当者まで決めます。課題解決はチームで行う共同作業になります。従って役割と責任、権限を予め明確にしておくことにより、実施しなかったという事態を回避するようにします。

何を
具体的な取り組みを創る必要があります。ロジカルツリー(WHATツリー)でおおきなテーマからちいさなテーマへと掘り下げて考えるとわかりやすくなります。

いつまでに
短期計画であれば1年以内、中長期計画であれば3~5年間の期間で計画を組みます。1年以内であれば月別(可能ならば旬別まで)、中長期計画であれば半期別(可能ならば四半期別まで)を目安に決めるとわかりやすくなります。

どのように
具体的な取り組みを創る必要があります。ロジカルツリー(HOWツリー)でおおきなテーマからちいさなテーマへと掘り下げて考えるとわかりやすくなります。

コストはいくらかけるか
調査費用や試作費、サンプル購入など戦略の実行には費用が掛かります。予め予算化することにより支出をコントロールすることが必要になります。


別の記事で記載した『カフェ』の課題は「コーヒーを知り興味を持ってもらう」ことであり、その課題解決の戦略として「新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する」「有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする」を挙げました。

ここでは「新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する」について検討してみます。

「大正ロマン珈琲豆」には新種のコーヒー豆を採用しようと考えています。従ってまずは「新種のコーヒー豆の特徴を調べること」が必要になります。次にその特徴を活かした焙煎やブレンドなど「新種のコーヒー豆を活かした製法を考えること」も必要になります。それらは味や香りと言った商品自体の開発になります。

他社との差別化を図った商品が完成したならば、次に商品販売の開発を行います。例えば新種のコーヒー豆を採用しようと思った理由、苦労、消費者に対する想いなど「商品ストーリーを考えること」が必要になります。商品ストーリーができた後は、商品をより魅力的にする「ネーミングやパッケージを考えること」や「販売先や販売方法を考えること」も必要になってきます。

以上を「新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する」というテーマのアクションプランとして、下記の通り作成しました。

(新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売に向けてのアクションプランイメージ)

実際に開発・販売を考える際はMECEになるよう取り組みに抜けや漏れが無いよう慎重に検討することが必要になりますが、ここでは割愛します。


2.SMARTモデル                           


アクションプランを策定する際には注意すべき5つのポイントをまとめたSMARTモデルがあります。SMARTは「具体的」「測定可能」「達成可能」「関係性」「時間制約」の英単語の頭文字を並べたものになります。

『1.アクションプラン』で作成した「新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する」というテーマのアクションプランはSMARTモデルを念頭に置き作成しています。その点を確認していきたいと思います。

具体的
3W2H(5W2H)で文書化します。上記のアクションプランでは「誰が」「何を」「いつまでに」「どのように」実行していくか、また「いくら」費用支出するか計画に盛り込んでいます。

測定可能
計画が達成できたか、できなかったかが評価できる指標を設定します。上記のアクションプランでは「実施する」「実施しない」という1か0の評価になりますが、ひとまず計画に盛り込んでいます。

達成可能
実現可能な指標を設定します。例えば「ムリ・ムラ・ムダ(3ム)」を排除し、業務効率を改善させることによって実現できる計画が理想的です。一般的には110%までは取り組み次第で実現可能と言われています。一方で110%を超えるような目標になると努力で実現させることは不可能であり、新たな投資が必要になります。上記のアクションプランでは「実施する/しない」を指標とし、実行に関しては「費用40万円」「思考(ブレインストーミング)」で実現させることはできますので、ひとまず計画に盛り込んでいます。

関係性
上位概念との整合性をとります。例えばビジョンとして「地域の役に立つこと」を掲げ、その実現に向けた計画として「100万円を地域に寄付する」との活動に取り組む場合、計画の達成により地域には100万円が入ります。従って地域の役に立っていると言えます。しかしながら仮に「100万円を地域に寄付する」ための施策として雇用や設備投資の削減があり、それらによって利益を確保したならば、100万円寄付したことがほんとうに「地域の役に立つこと」か疑問が残ることになります。と言うのも、地域に対する企業の付加価値は企業が獲得する「営業利益」だけではなく、雇用に関する「人件費」や地域企業との取引に関する「減価償却費(投資費用)」を加算したものになるからです。従って上位概念と計画との整合性には注意が必要になります。上記のアクションプランでは「新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する」は「コーヒーを知り興味を持ってもらう」ことを実現させるための手段になりますので上位概念との関係性はあると言えます。

時間制約
外部環境は日々変化していきます。従って機会を失わないためにも早々に着手し結論を出します。上記のアクションプランは短期計画として立案しましたので1年以内の実現を目指します。同時並行で進めることができるものは同時に進め、結果を見てから次に進めるものは順を追って進めるように計画しました。



必ずしもSMARTモデルが良いというわけではありません。様々な考え方があるなか曖昧な計画を作っても実行できなければ意味がありませんので、そのような曖昧な計画にならないようSMARTモデルを意識してもらえればと思います。
 
 


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