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Aー26.アンゾフの成長マトリクス


 

『アンゾフの成長マトリクス』について解説します


戦略の方向性を市場と商品の2軸で検討して決定します。これによりあるべき姿にどのような方向性で進めていくか戦略を明確にすることができるようになります。ここではその方法について解説します。

 
(問題解決のフロー図)


1.アンゾフの成長マトリクス                       


戦略の方向性を示すため、市場を縦軸、製品を横軸に2✕2マトリクスで整理した表になります。2つのテーマの組み合わせにより全4つの戦略の方向性が示されます。

市場拡大
既存市場に既存製品を投入することです。キャンペーンや広告宣伝など今ある商品をアピールすることで消費者の購買意欲を刺激します。
 
新商品開発
既存市場に新規商品を投入することです。シリーズ化やサイズ変更など今ある商品仕様をマイナーチェンジすることで買い替え需要を喚起し消費者の購買意欲を刺激します。

新市場開拓
新規市場に既存製品を投入することです。販売先や用途変更など今ある商品の存在を知らない新たな消費者に対しその人たちのニーズにマッチさせることで購買意欲を刺激します。

多角化
新規市場に新規製品を投入することです。今ある技術を新たな分野(業界)に応用し、これまで想定していなかったニーズにマッチさせることで消費者の購買意欲を刺激します。

(アンゾフの成長マトリクス イメージ)



2.進め方                                


まずはミッションと優先順位の高い課題をテーマにブレインストーミングで考えられる戦略(戦術)を列挙し、4つの戦略にあてはめます。

別の記事で紹介した『カフェ』のビジョンと優先順位の高い課題は下記の通りでした。

ビジョン
  :コーヒー愛好家を増やす

優先順位の高い課題
  :コーヒーをよく知ってもらう

この「コーヒーをよく知ってもらう」をテーマに検討した結果、下記の戦略(戦術)を列挙しました。

・市場拡大戦略 :クーポン券発行
         チラシDMの配布

・新商品開発戦略:オリジナルブレンドの改良
         新しい豆を使った商品提供

・新市場開拓戦略:缶コーヒーの販売
         インスタントコーヒーの販売

・多角化戦略  :コーヒー講座(教室)の運営
         コーヒーグッズの輸入販売

どの戦略を選択するかによって成功の確率は変わってきます。なお戦略を選択する際は下記に留意する必要があります。

実現性   
 :自社(自分)能力で実現可能であるか?

・リスク 
 :実施に伴うリスクはないか?

・期待効果 
 :投資や経費に対するリターンが得られるか?

・上位概念との関係
 :ミッションやビジョンと合致しているか?

・シナジー効果
 :現在の戦略との相乗効果が期待できるか?

・発展性    
 :今後の広がりがあるか?

ミッションは「コーヒー愛好家を増やす」としています。既存顧客はすでに愛好家と言えますので新規顧客を如何にして獲得するかを検討する必要があります。

ではどのようにして新規顧客を獲得するか?これまで解説してきた通り4つの戦略のいずれか、例えばカフェ(既存市場)で、あるいは新ブレンド(新商品)で、または缶コーヒー(新市場)で、もしくはコーヒーグッズ(多角化)で戦略を立案することになります。戦略を立案する際は「自社(自分)の強みを外部機会にぶつけること」で成功の確率を高めることができます。この検討がクロスSWOTになります。



次回の記事で詳しく解説します。
 
 


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